「新NISA」:投資信託へのポイント付与制度が充実している証券会社を選んだほうがいいのか?検証してみた

投資信託での「クレカ積立」のポイント還元、「保有ポイント」はお得?

 さて、現状、投資信託において、お得なポイント制度が存在するのは私が会社が何社か存在します。すなわちSBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブドットコム証券の4社です。正直、投資をやる以上、結局は細かいサービス云々はおいておいて大事なのはお金です。今日は細かい説明は省き、このお金に直結するポイントサービスとはお得なものなのか、またどの会社のポイントサービスがお得なのかを比較していきたいと思います。

まずは結論

利益の押上げは確実にしてくれる。

 ポイント付与制度がある4社で下記の条件で運用した場合確実に利益の押上げにはなると思われます。下記運用条件で試算してみました。

運用条件
・各会社の最も条件のいいクレジットカードを使う
・投資商品は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
・毎月10万円積み立てる
・信託報酬に関しては今回は考慮しない
・受け取ったポイントは再投資しない。
・積立額が「新NISA」の上限1800万円になった時点(15年)で積立をやめる。
・その後20年目まで運用を行う。

 上記の条件でそれぞれの投資会社で運用したシミュレーションの結果が下記。SBIであれば20年でポイントは24万ポイント弱、一年1万2000ポイント、一月1000ポイント程度の換算になます。

順位会社名最終運用額付与ポイント数備考
1位SBI証券3470万円237,000総合力はやはり高い
2位マネックス証券204,000この勝負では善戦した
3位auカブドットコム証券108,000秀でたものが何もない
4位楽天証券92,000改悪が響いている。

最終的な利益に与える影響はそこまで大きいわけではない

 投資の全てを投資信託に回して、取れるだけポイントを取りに行ったとして、付与されるポイントが利益に与える影響は1.5%程度(最終利益1670万円「3470万円-1800万円」に対して付与されるポイントは24万ポイント弱)。実際には投資信託だけではなく、ETFや個別投資にも資金をまわすと考えれば比率はさらに下がります。投資信託100%でポートフォリオを組むのであれば無視できない利益の差にはなりますが、逆に投資信託の比率がそれ程高くないポートフォリオを組むのであれば影響は小さいです。
 あって困ることはないですがこれだけを根拠に証券会社を選ぶほど決定的なものにはならないくらいの数値ですね。

投資信託(積立)におけるポイント付与、4社比較

 早速、各社のポイント付与条件等を比較していきます。

積立時ポイント付与

 各社とも、下表のように投資信託の積立購入時にクレジットカードに積立を行うことによって、ポイント還元を受けることが出来ます(楽天は楽天キャッシュでの積立もプラス)。

SBI証券楽天マネックス証券auカブドットコム証券
積立方法クレカクレカ楽天
キャッシュ
クレカクレカ
ノーマルゴールドプラチナノーマルゴールドプレミアム
年会費0550033000022001100000
付与率0.5%1.0%5.0%0.5%0.75%1.0%0.5%1.1%1.0%
月間上限積立金額50,000クレカ50,000+楽天キャッシュ50,000
合計100,000
50,00050000
月間
上限P
2505002500250375500250550500
年間
上限P
3000600030000300045006000300066006000
年間
差引
3000500※-300030002300-5000300066006000

 SBI、楽天においては積立を行うクレジットカードを選択でき、それによって還元率は変わります。
 各社ともクレジットカードによる積立の上限は5万円、楽天は楽天キャッシュと合わせて上限10万円まで月々ポイント完全を受けることが出来ます。基本的に上位のカード程ポイント還元率は高いのですが、上位のカードには年会費がかかり、一年間にもらえるポイントから年会費を差し引く(表の一番下の「年間差引」の項目)下位のカードのほうがポイント収支は上になります。
 ただし、SBI証券のゴールドカード(三井住友カード ゴールド(NL)等)は年間100万円の利用を一度でも達成すると年会費が永年無料となるため(通称100万円修行)、それをクリアした人であれば年会費「0円」になります。ただ正直クレカで年間100万円は可能な人と、そうでない人がいるかとおもいますので、どちらも考慮します。それらを踏まえ、積立方法と年間のポイント収支のみを抽出してまとめたのが下表です。

SBI証券楽天マネックス証券auカブドットコム証券
積立方法クレカクレカ楽天
キャッシュ
クレカクレカ
ノーマルゴールドゴールドプラチナノーマルゴールドプレミアム
月間上限積立金額50,000クレカ50,000+楽天キャッシュ50,000
合計100,000
5000050000
年間
差引
30006000500-300030002300-5000300066006000
備考修行
達成
修行
非達成

各社、付与ポイントから年会費を差し引いた値が、一番いいカードをで比較し。月々10万円(楽天の上限)を投資するとした場合、もらえるポイントは

1位.マネックス証券 6,600ポイント
2位.auカブドットコム証券 6,000ポイント
3位.SBI証券 6,000ポイント
4位.楽天証券 6,000ポイント

となります。2位~4位の差は、実現が簡単なauカブドットコム証券を2位としました。楽天を4位にしたのはポイント6000をもらうのに楽天は10万円投資しないといけないからです(他の会社は50000円でも6600~6000ポイントもらえる) 

保有ポイント

 さて次に、同じく4社には購入した商品を保有し続けることによりもらえるポイントというものがあります。SBI、マネックス、auに関しては購入した商品の残高に応じて毎年もらえ、楽天に関しては購入した商品の残高が一定の額に達した時、一回だけもらえます、正直これに関しては楽天はゴミですね。
 とりあえずそれをまとめたのが下表です。ちなみに保有ポイントは投資商品によってかわるので今回は人気の高い「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(以下「S&P500」)、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(以下「オルカン」)、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」(以下「先進国」)についてまとめました。パーセンテージは年率です

SBI証券楽天証券マネックス証券auカブドットコム証券
S&P5000.0326%10万円到達 10P

2000万円到達 500P
(各一回のみ)
0.03%0.005
オルカン0.042%0.03%0.005
先進国0.0365%0.03%0.005

 さて、こうしてみると、保有ポイントに関してはSBIとマネックスがそこそこいい勝負をしており、auがそこから大幅にさがり、楽天は実質ないのと同じですね。
 またポイントの付与率に関して、表の中で一番高いSBIのオルカンですら「0.042%」と少なく感じますが、これは現在の保有残高に対する率であることと、保有している限り保有額に対して、ずっともらえることを考慮すれば実はかなり大きな影響をあたえることになり、年数がたつほど効果が高くなります。(例えば1800万円満額オルカンに積立た場合、元本に対してだけでも年間7560ポイント、実際には運用益のも率がかかることも合わせると年月がたつとその数倍になっていきます)。

ポイント付与制度二つを合わせて投資信託でポイントはいくらもらえるのか。

さて、ではこれを踏まえてこの二つが、運用結果にどう影響を与えるのか計算してみました。
条件は下記の通り

運用条件
・各会社の最も条件のいいクレジットカードを使う
・投資商品は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
・毎月10万円積み立てる
・信託報酬に関しては考慮しない
・受け取ったポイントは再投資しない。
・積立額が「新NISA」の上限1800万円になった時点(15年)で積立をやめる。
・その後20年目まで運用を行う。
会社名SBI証券楽天証券マネックス証券auカブドットコム証券
積立方法クレカ積立クレカ積立
+楽天キャッシュ
クレカ積立クレカ積立
クレジットカード種別ゴールドノーマル
積立商品eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
積立金額月々10万円で元金が1800万円になるまで15年積立
(ただし簡単にするため年一回、120万円を一括で積み立てる計算です)
利回り5%
20年後保有額3470万円
購入ポイント
合計
90,00090,00099,00090,000
保有ポイント
合計
147,3012,090105,21517,535
総ポイント237,30192,090204,215107,535

 さて、結果から20年間でもらえるポイントの合計は、下記の通りとなりました

順位会社名付与ポイント数備考
1位SBI証券237,301総合力はやはり高い
2位マネックス証券204,215この勝負では善戦した
3位auカブドットコム証券107,535秀でたものが何もない
4位楽天証券92,090改悪が響いている。

 年月が経つほど保有ポイントのポイントの効果は大きくなり、最終的には「保有ポイントに対する付与率」が高いSBIが証券のポイント送料が最も多くなります。ちなみにSBIにおいては例えカードがノーマルカードで積立を「0.5%ポイント付与」で行ったとしても20年後にはマネックス証券と大差がなくなり、年月が経てばたつほど差がなくなります。今回の計算では23年目くらいで追いつきます。

まとめ

 正直、クレカ積立ポイントと保有ポイントは個人的にかなり重要視していて、SBI証券で投信用にゴールドカード作ろうかなーっておもってたんですが、検証してみると大勢に影響ない範囲でした。
 付与ポイントを再投資に回せばまた少しかわってくるでしょうが、一回の積立金額をある程度決めて行う「新NISA」ではポイント分多く投資するというよりは、ポイントで投資に回せた金額分を節約する形にすると思うんですよね。
 もちろん利益を1.5%押し上げるということはそれなり大きいのですが、この結果をもって、証券会社を決定する!っていうほど大きな差と思うかは人によりますかね。
 個人的にはあまりクレカ積立ポイントやマイレージポイントにこだわらりすぎず、他の視点からも口座検討はしたほうがいいかもしれないかなと思いました。。

 

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