クレカ積立について
クレカ積立とは
クレカ積立とは、証券会社において「投資信託」の支払いをクレジットカードで行うことです。現在「SBI証券」、「楽天証券」、「マネックス証券」、「auカブドットコム証券」においてはクレカ積立を行うと積立金額の一定額がポイント還元される仕組みがあり、クレカ積立を行うことで実質的にやすく投資信託に投資できるようになるため、現在ではこのポイント還元がどれだけ多く貰えるかが投資する証券会社を決定する上で重要な一つのポイントなっています。
各会社の「還元ポイント付与率等の比較」に関しては、下記関連記事をご覧ください。
ポイントの還元率は「証券会社」や「カードの種類」で変わる
投資した金額に対して、どれくらいのポイント還元があるのかは、証券会社によって変わり、また一つの証券会社においてもどの種類のカードを使うかで還元率が変わってきます。そのため、証券会社選び、クレジットカード選びが重要と言われるようになってきました。
例えば「SBI」証券の「ゴールドカード」であれば投資金額の1%分のポイント還元があります。
年の運用利回りが「5%」あれば上々と言われる投資信託において、掛金の「1%」が戻ってくるのは非常に大きな意味を持つため、より大きな還元率があるカードを低コスト(年会費)で持てるかが重要になってくるのです。
SBI証券のクレカ積立
SBI証券クレジットカード別の「還元率」、「年会費」等の比較
さて、現状ネット証券会社でほぼ一強と言われているSBI証券にも勿論、クレカ積立はあります。
クレカ積立が行えるカードは「三井住友カード」で還元されるポイントは基本的には「Vポイント」となり、「ノーマルカード」、「ゴールドカード」、「プラチナカード」の区分で還元率が異なります。還元率等の詳細は下表のとおり。
SBIクレカ積立 クレジットカード比較表 | |||
---|---|---|---|
クレジットカード種別 | 三井住友カード | ||
積立カード※1 | ノーマル | ゴールド | プラチナ※2 |
年会費 | 0 | 0 | 33000 |
付与率 | 0.5% | 1.0% | 5.0% |
付与ポイント | Vポイント※3 | ||
月間上限積立金額 | 50,000 | ||
月間 上限P | 250 | 500 | 2500 |
年間 上限P | 3000 | 6000 | 30000 |
年間 差引 | 3000 | 6000 | -3000 |
備考 | ※1 今回比較するクレジットカードの諸情報は「三井住友カード(NL)」のものです。その他のカードにおいては年会費、サービス内容等条件が異なる場合があります ※2 現状付与率「5%」のプラチナカードは「三井住友カード プラチナプリファード」のみ。その他のプラチナカードは「2%」 ※3 カードの種類によっては別のポイントになる場合もあり |
ポイント還元率単体で見るならば、プラチナカードが「5%」と破格なのですが、同時にプラチナカードは年会費が高く「33,000円」となっています。、月の積立上限金額が「50,000円」迄であるため月に獲得できるポイントの上限は「50000円 × 5% = 2500ポイント」、年間で「2500 × 12か月 = 30000ポイント」となるため、年間の収支は「-3000円」となり実はノーマルカードよりコスパが悪くなります。
そのため現状では、還元率「1%」のゴールドカードが一番いいと言われています。
「ゴールド」より「プラチナプリファード」が良い理由
単純に「年会費」と「還元ポイント」の収支をみると確かにゴールドカードが勝ります。しかし、私自身は現在「プラチナプリファード」でクレカ積立を行っています。正直、個人的には「ゴールド」より「プラチナプリファード」のほうが様々な観点から利点があると考えています。理由としては下記のようなことがあります。
ゴールドカードの年会費を「0円」にするには条件がある。
一つ目の大きな理由ですが、実はゴールドカードの年会費を「0円」にするには条件があります。ゴールドカードの年会費を無料にする条件自体は非常に単純で、年間使用額「100万円」を超えると次の年から永年年会費無料になるというものです。
三井住友ゴールドカードは初年度年会費は無料なので初年度に年間使用額「100万円」を達成すれば以降年会費無料と言うわけです。
これは巷では「100万円修行」と言われていて、結構簡単に達成できるからやるべきと各所で進められていますが、正直私には無理です。私は現状、一年間の生活費が「百数十万円」でその全てがクレカ決済で対応できるものばかりではありません。どう考えても5000円の年会費のためにわざわざクレジットカードで100万円の利用を出来る状況ではありません。
「プラチナ」プリファードのほうがポイント再投資を考えれば収支は高い
ということで、「ゴールド」の年会費無料をあきらめた場合、「ゴールド」の還元ポイントと年会費の差引は「+500円」となり単純な収支は「+3000円」の「ノーマル」が一番いいことになります。
なら「ノーマル」でいいんじゃないのとなるかと思います。正直その選択肢もありです。
ただ、もしも次の二つの条件を満たせるならば私は「プラチナプリファード」と言う選択は十分にありだと思います。その条件は下の二つです
・クレカ積立を長期で続ける気がある
・付与されるポイントは全て投資信託の再投資に回す。
この二つの条件を満たす場合、「プラチナプリファード」を選択する利点は大きいです。これについて具体的に、投資信託における「各カードで年利5%で20年間運用」のシミュレーションをご覧ください。
共通事項 | 月々投資額 | \50,000 | ||
---|---|---|---|---|
積立期間 | 20年 | |||
利回り | 5% | |||
還元ポイント | 全て再投資 | |||
個別条件 | カード種別 | ノーマル | ゴールド | プラチナ |
還元率 | 0.5% | 1% | 5% | |
年会費 | 無料 | 無料 | 33000 | |
運用シミュレーション 「資産総額」 - 「累計年会費」 | 5年 | 3,498,554 | 3,515,960 | 3,490,205 |
10年 | 7,963,695 | 8,003,314 | 7,990,276 | |
15年 | 13,662,472 | 13,730,442 | 13,779,221 | |
20年 | 20,935,715 | 21,039,869 | 21,213,131 |
運用シミュレーション上では「累計年会費を差し引いた資産総額」において10年目で「プラチナプリファード」は「ノーマル」を抜き15年目では「ゴールド(年会費無料)」を追い抜きます。これはポイント再投資した分が複利効果によって年々増えていくためです。
こうして、シミュレーションしてみれば、クレジットカードの「還元ポイント」と「年会費」の関係だけで考えれば長期投資を前提とするならば、「プラチナプリファード」にはそれなりの優位性があることがわかっていただけると思います。
また、それ以前に20年間運用してもそれぞれの差は一番大きい「ノーマル」と「プラチナ」を比べても30万程度です。資産総額を考えればそう大きな差ではありません
そもそも「クレジットカード」としての能力が違う?
これは当たり前のことですが、投資信託と言う枠から出て、純粋にクレジットカードとしての能力を比較すれば、年会費に応じてクレジットカードには能力に違いがあります。詳細に説明すると、実は「ゴールド」、「プラチナ」の中にもさらに区分があり、少しややこしくなるので簡単なところだけでも下のような違いがあります。
ノーマル | ゴールド | プラチナプリファード | |
---|---|---|---|
通常還元率 | 0.5% | 0.5% | 1% |
ポイント特典 | 対象店舗で最大5%還元 | 左記 +特約店最大10% | |
利用金額による得点 | なし | 100万円以上利用で 10000ポイント | 100万円利用毎に10000P (最大40000P) |
空港のラウンジ | なし | 無料 | 無料 |
コンシェルジェサービス | なし | なし | 無料 |
普段使いではあまり大きな差にはならないかもしれませんが、「通常還元率が少し高い」、「ポイント特典が付く店が多い」ということだけでもそれなりに違いになってくるのではないでしょうか。
まとめ
今回はSBI証券におけるクレカ積立に関して、各クレジットカードの比較を行ってみました。一般的には「ゴールドカード」が最強と言われていますが、上記の通り私はそこには少し疑問を感じています。確かに、「100万円修行」を終えた後の「ゴールドカード」は年会費無料でクレカ積立還元率「1%」とクレカ積立において優位性があるのは事実ですが、少し見方を変えれば「プラチナプリファード」という選択肢もありではないかと私は思っております。
また正直、長い目で見ればクレカ積立ポイントの差は、投資の運用成績に決定的な影響を与えるものでもありません。気軽に持てる「ノーマル」でちょっとポイントを得するくらいの気楽な感じもありだと思います。
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